Shi-Geの日記

これからの世界

脱炭素社会に向けて

日本政府は次世代の成長戦略を明確にした。

「風力」「EV」「次世代リチウムイオン電池

この分野に減税対策を行う。

 

 

11/13日経新聞より

2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標に向け、政府・与党が検討する政策が判明した。温暖化ガスの削減につながる製品の生産設への投資に優遇税制を導入し、研究開発を支援する基金も創設する。世界は環境を巡る大競争に突入している。日本も国を挙げて技術革新や「グリーン投資(3面きょうのことば)」を推進して次世代の成長につなげる。
 菅義偉首相は10月に温暖化ガスの実質ゼロ目標を表明し、関係省庁に対策の検討を指示した。政府・与党は年末にまとめる21年度税制改正大綱や20年度第3次補正予算案などに盛り込む。
 日本は20世紀には省エネや電池の技術で先行し、環境先進国だった。21世紀に入り環境目標の設定で出遅れ、企業も競争力を失った。いまは太陽電池の世界トップ3は中国勢で、洋上などで拡大が見込まれる風力発電機も上位は海外勢だ。
 環境対応は世界的な潮流のため、日本企業も改革を求められる。首相は環境を「成長の柱」と位置づけ、再生可能エネルギーなどの技術革新や投資を促し、次世代産業の育成を支援する方針だ。
 税制面の柱は生産設備の増強への減税だ。企業が風力発電機などを製造する設備に投資すると、一定割合を法人税から税額控除する。控除の割合と対象は年末までに決める。3分野が候補だ。
 風力発電機を巡っては、欧州では電源に占める風力の割合が15%に達しているため製造企業が育っている。日本は1%未満しかなく、風車の製造から撤退する企業も出ている。生産体制の増強を促し、風力発電の普及と日本企業の競争力向上をはかる。
 電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の動力に使う次世代型リチウムイオン電池も対象にする見込みだ。従来型のガソリン車からEVなどへの切り替えを進めるには、電池価格の引き下げが課題だ。一層の大量生産ができればEVなどの価格も下がる。
 リチウムイオン電池は送配電網と連携して電力需給を制御する際の蓄電池にも使える。自然条件などで電力供給が大きく変化する再生エネの拡大には蓄電池の高度化が必要でこうした電池も対象になる可能性がある。
 電圧の制御に使うパワー半導体も念頭にある。制御機器や産業機械、家電まで幅広く搭載され、省電力化に直結する。
 脱炭素に向けた中長期の投資方針を示した計画を策定した企業には税負担軽減を検討する。計画は国の承認を受けることが条件になる。税務上の赤字を繰り越し、翌期以降の黒字と相殺する「繰越欠損金控除」を拡充して法人税額を減らす案がある。来年の通常国会に提出する産業競争力強化法改正案に盛り込む。
 予算面では企業や大学、研究機関の再生エネ・省エネに関する研究開発を支援する基金を新設する。水素、蓄電池、カーボンリサイクル、洋上風力など広範に研究開発を支援する。新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)を通じて複数年にわたって資金を出す仕組みが浮上している。20年度第3次補正予算案で1兆円を計上するよう求める声がある。